アウトドア講座:キャンプで食事をつくる

6.1. 食事づくりの水を節約

 水をつかう量を少なくするのには、ひとつひとつの作業のなかで、ほんとうにそれだけの水が必要なのかどうか、考えながら使うということと、水の再利用を徹底的に考えることの二つが基本になります。

 

 皮のついている野菜を洗うときは、皮をむいてから洗いましょう。ジャガイモをザーザー流れる水で洗って、皮についている汚れを落したあとその皮をむく、などということはしないことです。皮に保護されているタマネギは、最後まで洗わないですみます。

 

 お米をとぐときは、いきなり多くの水を入れてはいけません。少量の水を入れ、揉むようにしてよくといだのちに、すすぐような感じで洗い流せばもう充分です。

 

 土そのものは、もとはといえば岩石や鉱物であり、不潔なものではありません。動物によっては、鹿のように土をなめることで不足しがちなナトリウムを補っています。また、英語には土を食べるという意味の単語もあるそうです。汚れているといえば、むしろ、そこで生活している人間の活動によって汚されることのほうが、はるかに多いのです。必要以上の清潔感で、結果的に大量の水を汚してしまうようなことは、意識してさけなければなりません。

 

 野菜を洗ったあとの水やお米をといだあとの水は、まだまだ利用できます。バケツに受けてとって置くと、食事が終るころには汚れが沈殿して、上澄みがきれいになってきます。この水を後片づけに利用します。

 

 後片づけのときに、水は一番汚染されます。油分やさまざまな調味料が水といっしょに流され、さらに洗剤によって化学的にも汚染されます。

 

 まず、できるかぎり洗剤を使わないことです。バケツにとっておいた水を沸騰させ、油で汚れた食器はこのお湯で流します。そのまえにティッシュなどで汚れをふき取っておけば、これで充分にきれいになります。

 

 汚れたなべは、紙や草で大ざっぱに汚れをとったあと、砂や土、木灰をつけたタワシで磨きます。充分に磨いたあとお湯で流せば、洗剤も水もほとんど使うことなくきれいになります。汚れた紙や草は、かまどで焼いておきましょう。