少年少女キャンプ村

キャンプ村と地域子ども会・少年団

 このキャンプには、地域の子ども会・少年団活動と互いに影響を与えあい、地域の活動を元気にしていくための行事という側面があります。「子どもたち自身の手でつくる手作りの取り組み」であるキャンプ村は、事前に準備活動を行ない、子どもたちの話し合いで内容作りをする点など、子ども会・少年団活動と共通点があります。

 

 それを支えるのは、高校生・青年(大学生など)の「指導員」。"親" "学校の先生" とは違った視点から子どもたちに寄り添い、のびのびと活動できるよう様々な面でサポートします。さらに、父母・おとなのスタッフが、子どもたちとは直接関わらない「縁の下」で活動を支えています。

 

地域の子育て活動としてのキャンプ村

 キャンプ村では、子どもたちも指導員たちも、地域の仲間たちと共同で活動を進めることで子ども会・少年団活動に必要な力をつけ、逆に、日ごろの活動でつけた力を発揮し、豊かな生活を作り出していきます。毎年、地域の各少年団の子たちが一緒になってキャンプを作り上げる中で、互いに憧れあい、良いところを学びあって、自分たちの活動に持ち帰っています。また、都内の他の地域の子たちと交流を深める中で、今までの自分たちになかったものをつかみ取り、それぞれの地域に新しい「風」をもたらします。


 指導員として参加するのは、子ども会・少年団や青空学校などの地域活動で日頃子どもたちと一緒に活動している高校生や20才前後の若者たちです。子どもの誘いかけからキャンプの準備活動、キャンプ期間中、そしてキャンプ後のフォローまでを一貫して行ないます。キャンプ後には地域のそれぞれの活動に戻っていきます。企業の行事によくある「その場限りのバイト」の青年スタッフとは、関わり方がまったく違います。


 多くの子ども会・少年団では、指導員や父母の中で、キャンプ村を日常の活動と地続きの「地域の子育て活動の一貫」と捉えています。地域に仲間を増やすためのきっかけとして、あるいは、活動をよりよくするための学びの場として、この行事を活用しています。実際、近隣の地域の子に混ざってキャンプ村に参加したことがきっかけで「自分の地域にも少年団がほしい!」と思うようになり、結団した少年団もあります。

子ども会・少年団とは…

 地域(一中学校区程度の広さの「地域」です)の小中学生が集まって一緒に遊んだり、行事を企画して取り組んだりする異年齢子ども集団です。何をするかは子どもたち自身が考え、実行します。組織の運営は子どもたちが自由に、自主的に行ない、地域の高校生以上の若者が「指導員」として活動を支えます。

 

 指導員は子どもたちが自主的に活動するのを見守り、遊びを盛り上げたり、危険がないよう注意したり、困難な状況に直面したときにアドバイスしたり、トラブルを仲裁したりします。子どもたちと名前やあだ名で呼び合い、対等な関係を築いている指導員たちは、少し年上のお兄さん・お姉さんとして子どもたちから信頼され、憧れられています。

 

 また、親は父母会を開き、子育ての願いを話し合ったり、子どもたちの活動をサポートします。 みんなで楽しむことの大切さ、仲間を思いやることの大切さ、仲間と一緒に作り上げる楽しさや意義を考えると同時に、気楽に楽しめる子ども会活動が「地域子ども会・少年団」です。現在、東京には数十の子ども会・少年団があり、地域に根差して活発に活動しています。

 

 もちろん、キャンプ村はキャンプ村で完結した行事ですので、子ども会・少年団に入っていなければ参加できないということはありませんし、キャンプに参加したあと地域の活動に参加するかどうかも自由です。