アウトドア講座:キャンプで食事をつくる
火もよく燃えている。材料の刻みも終ったということになると、あとはカマドでの調理を残すのみです。そうなると、何人か手が空いてくる子どもたちが出てきます。
手が空いてくるとカマドの回りに集まって、みんなで炎をながめながらおしゃべりをしたりの交流がはじまるという場面はよく見かける光景ですが、交流は食事の時間にして、食事後のプログラムの時間をたっぷり取るためにも、手が空いた子どもたちを中心にして食卓作りにかかりましょう。
6~7人(リーダーも入れて7~8人)の班になると、最低でもベニヤ板一枚分ぐらいのテーブルが欲しくなります。45センチ四方のベニヤ板3枚と、ガムテープを使って、簡単な1人用のテーブルを作ってみましょう。分解して持っていき、キャンプ場で組み立てて使います。班の子どもたちの分を並べてつなげ、そのうえにレジャーシートを広げれば、豪華なダイニングテーブルの完成です。
椅子は、輪切りにした丸太や座りやすい石を探してきて、まわりにセットします。一週間以上の長期のキャンプならば、細い丸太を組んで、テーブルやベンチを作る作業をプログラムのなかに入れても楽しいでしょう。
みんなのコップや食器をテーブルのうえに並べます。料理の入った皿をおき、鍋で調理したものは一度ボールに移して、鍋は水を張って再度カマドにかけておくと、こびりついた汚れも浮いてきて後片づけが楽になります。飯ごうも同様にしておきます。
料理とごはんとがテーブルのうえに並んだら、いよいよ盛りつけて、楽しい食事の時間のはじまりです。
キャンプ場での食事のはじまりは、ちょっと気取ってレモネード(レモンのしぼり汁に砂糖を加えたもの)で「乾杯」としゃれてみてはどうでしょう。
食事の前に今日1日の健康に感謝し、次の日の健康を祈るのは、多くの宗教に共通したしきたりです。日本の「いただきます」という謙譲語を使ってのあいさつは、神や自然の恵みにたいするものでしょうか、それとも食事を作ってくれた人にたいしての言葉でしょうか。
いずれにしても「これから食事をとらせてもらいますよ」ということを神や自然や両親に感謝し、一礼をしてから食事にはいるというのは、世界中に共通した文化のようです。
キャンプ場では、みんなで力をあわせて食事を作ります。ですから、おたがいに感謝をしあいながら、なによりもそういう生活を可能にしてくれるキャンプ場の自然に感謝をしめして、「乾杯」をするのです。
「線路は、続くよ」という歌を替歌にしたいただきますの歌がありますが、みごとにそうした気持を歌っています。
("線路は続くよ" のかえうたで)
ごはんだ ごはんだ さあ たべよう
かぜは さわやか こころもかるく
みーんな 元気だ かんしゃして
たのしいごはんだ さあ たべよう
「いただきます!」