アウトドア講座:キャンプで食事をつくる

水は命の源です

 食事作りに欠かせないのが水。でも、水は食事づくりのみならず、生活の全般に大きな影響を与えるものです。ここでは、食事作りも含めて、水の有効利用について考えてみましょう。


★ 水を上手に使う

 キャンプ場の前をゴウゴウと流れる川。豊かな湧き水。日本は水がたいへんに豊富な国です。山のなかに入れば、ちょっとした谷筋や切りどおしのところには、必ず水が湧いています。水源よりも上に畑や密集した人家、鉱山などがなければ、たいがいの自然水を利用することができます。

 しかし、だからといって、水を無造作に使うことは許されません。人間が川の上流の水を使いその排水を流すということは、とりもなおさず、上流の水質や土壌を汚染することにつながります。

 

 油や洗剤などで汚れた水は、川や土壌に住む生物に影響を与え、それが大量になれば、その地域の生態に重要な影響を与えます。川の上流に住む水生生物や土壌のなかに生活している微生物は、たいへんに弱いもので、ちょっとの環境変化でもともと住んでいたところに住めなくなってしまいます。

 人間に優しいキャンプは、同時に自然に優しいキャンプでなければなりません。

 そうした基本的なことをおさえたうえで、できるだけ少ない水で、できるだけ水を汚さないで利用する工夫を考えることが大切になります。楽しいアイデアを考えることは、自分=人間の生活と自然との関わりを考えることにつながります。

 だから「なんでもがまんすればいい」という発想ではなく、「少ないことをとことん楽しんでしまえる」ようアイデアを考えましょう。それは、自然と楽しく向かい合って、それでいて自然にリスクを与えずに、人間の豊かな生活を作り出す力を子どもに育てていくことにつながっています。