6. 鬼ごっこからはじめよう

 「ただ遊ぶと言ってもなにをしたらいいかわからないし、行事とかには集まるけど、遊ぶだけだと子どもたちもついてこないのでは」という悩みを言っていた指導員がいました。確かに今の子どもたちは小さいころから遊び切れないまま育っていますし、年長の子から年下の子へ遊びが伝授されていくことも極めて弱くなっていますから、ただいきなり「あそぼ!」と声をかけても戸惑うばかりです。さらに2~3人単位の仲間意識がやたらに強く、その子たちが別れるのを嫌がるためにチーム分けするのにとても苦労したりします。


 「仲間づくりのためのゲーム」などというものがいろいろ考えられて紹介されていますが、実際そのゲームで遊んでみると上手なリーダーがいないとおもしろくなかったり、例えば「ハンカチ落し」や「ガッチャン」のように楽しそうにやってはいても実は、一部の子だけの遊びになっていて、つまらない思いをしている子を何人も作っていたりします。指導員やリーダーの子の配慮で不満を薄めているようすを何回も見てきました。


 ではどうしたらいいのでしょうかか。それは、子どもの遊びの発達(発展)をていねいに助けていくことです。最も基本的な遊びから複雑で高度な遊びへとゆっくりと導くことです。まず「鬼ごっこ」からはじめることを提案します。