1. 子ども会・少年団の記録を残す

 まず最初に、なぜ子ども会・少年団の記録を残す必要があるのだろうかということについて、考えていきたいと思います。最初に実践討論会のことやその後の子ども会・少年団に大きく役立つと書きましたが、具体的にはどんな意味があるのでしょうか。

なぜ子ども会・少年団の記録を書くのか

  • 子どもたちの成長が見える

     まず一点目として、子どもたちの成長・変化がわかるということがあります。例えば、ある子ども会・少年団で行事が行なわれて、その記録を残す。その数ヶ月後また行事があって、また記録を残す。その二つの記録には、同じ子ども会・少年団であるから、当然同じ子どもたちが登場します。その数ヶ月の間にどんな変化があったか、子どもたちの成長や変化、この子はこれだけすごいことができるようになったんだ。そんなことがわかるはずです。

     これが数ヶ月ではなく、1年、2年、3年、子ども会・少年団だから小学校の1年から中学3年生まで、さらには指導員になってからも…。こんな具合にその間が長ければ長いほど、その子の変化がはっきりしてくる。こういった子どもたちの成長や変化を知るためにという意味があります。

  • 指導をふりかえる

     次に、自分の指導を点検するということ。団会なり行事が終わって、さて今日はどうだったんだろうと考える。それを文章として残しておいて、時間をおいてもう一度見てみる。あるいは指導員同士で話し合ってみる。

     口で言ったり、頭で考えたりすることは、その場でどんどん消えていってしまいます。だからメモ書きでも、文章にしておく必要があると思います。そうして残った記録は、時間をおいて冷静になった目で見ることができるから、反省点が浮き出てくるし、いいところも浮き出てくる。そういうことがあると思います。

  • みんなで考え合うために

     それから、今まではその子ども会・少年団ならその子ども会・少年団の中での話が主でしたが、さらにもう少し大きい、他の子ども会・少年団を含めた集まり―指導員サークルなどの場合を考えてみたいと思います。こうした集まりに勉強会、学習会などがあると思いますが、そこでこの記録が大いに活かされると思います。

     記録をもとに他の指導員からの「ここ、おかしいんじゃない?」といったような意見が得られるはずです。さきほども書いたけど、口で言うだけでは、じっくりと考えて検討するということには不十分のように思えます。例えば、報告を聞きながら、文章を目で追って、メモしながら考える。その方がいいと思いませんか。また話す方も、メモなどがあったほうが話しやすいでしょう。そういった話し合いで、他の指導員からたくさんの忠告や体験談、意見が出される。それが組み合わさって、わりと客観的な自分の子ども会・少年団の活動への評価が出てくるはずです。

  • 多くの人に伝えるために

     最後の四点目ですが、これは今までの中にも含まれてはいましたが、他の人間に知らせることができるということです。子ども会・少年団の父母、子どもたちのお父さんやお母さんに、子ども会・少年団ではこんなことをしています、こんなことしますよ、と知らせることができます。もちろん口で―言葉で伝えることもできますが、それだと一度に多くて数人、父母会などの場であってもその場にいない人には伝わりません。それがプリントにしてみれば、その枚数分だけ伝えることが可能になります。もちろん子ども会・少年団のPRにも使えるということです。

     子ども会・少年団の記録を残す意味と言えるものを四点挙げてみました。(I)成長・変化を確認できる、(II)自分の指導の点検ができる、(III)学習会に活かせる、(IV)他の人間に知らせることができる、この四点を頭の中に入れておいてほしいと思います。


どういった形で残すのか

 次にどんな形で記録を書くのか、ということです。文章にするからには、そこには目的があります。その目的にそった形で文章を作っていかなければなりません。さて子ども会・少年団の記録ということで、どんな形で書けるかというと、まず実践記録という形があります。実践レポートという人もいますがほとんど同じものです。実践討論会などの学習会を行なうために書きます。

 それから、ある期間中の子ども会・少年団の活動を簡潔にまとめた活動報告という形があります。指導員サークル等の集まりでの報告などに使うものです。地域センターなんかのニュースに各子ども会・少年団の様子が少しずつ書いてあるコーナー、ああいったものを思い浮かべればいいと思います。

 子ども会・少年団でニュースや通信を出しているところもあると思いますが、それも立派な子ども会・少年団の記録です。とくに定期的に何年も続いているニュースであれば、それはその子ども会・少年団の歴史、宝物といってもいいでしょう。

 そしてもう一つ、日誌、日記という形があります。これは記録という言葉には一番ぴったりきます。要するに、何月何日何曜日・団員何人で、今日はこんなことをしました、というようなものです。公的な学校などでは先生たちは毎日書いているはずです。事務的にやろうとすれば、いくらでも事務的になってしまうものですが、子ども会・少年団でやるとするならば、ノートなどに日記のように感情をまじえて書けば、さきにあげた実践記録などを書くときの資料として重宝します。

 もっといろいろな形はあると思いますが、さしあたってはこんな形があるでしょう。