アウトドア講座:キャンプで食事をつくる

7.1. 切れてこそ刃物

 調理に使う包丁やナイフなどの刃物は、よく切れるように研いでおくことが必要です。できれば、小さな砥石(中砥と、仕上げ砥が裏表に張り合わされているもの)を持って行き、切れ味が悪くなったらすぐに砥ぐくらいのことも、滞在型のキャンプでは、必要なことです。

 

 よく切れる刃物は、皮をむいたり材料をきざむときに、よけいな力がほとんどいりません。触っただけでスウーッと切れる、というのはオーバーにしても、そのくらいの感覚の切れ味になるように刃を仕上げます。

 

 切れない刃物は、無理に切ろうとしてよけいな力を刃に加えることになり、手元を誤ったときに、その力で手や指を深く傷付けてしまうことになります。「よく切れる刃物」は、安全管理の面からも必要なことなのです。

 

★ 切れない刃物こそが、こわい!

 「よく切れる刃物は、こわくって使えない」などという人がいますが、こういう人たちは、切れない刃物での作業になれてしまっていて、いつも力まかせに料理をしている人です。

 

 その感覚で切れる刃物を使ってしまったら、確かに切れすぎるような感覚で、こわくなってしまうかもしれません。魚や肉をを切るときに切れない包丁を使ったらどうなるでしょうか、力を入れようが、前後に押し引きしようが、上手に切れてくれずスジが残ったり、あげくのはてには、グチャグチャになってしまいます。

 


 

 これが、お寿司やさんのように手入れの行き届いた包丁を使えば、ほとんど力をいれることなく、刃の重さだけで、あとは手前にスウーッと引いてやるだけで、きれいな切口を見せてくれることになるのです。

 

 よく切れる刃は、安全のためはもちろん、なによりも料理を楽しいものにし、おいしいものにしてくれるのです。