5. 指導員の励ましと援助があってこそ

 団会の時には、堂々とみんなの前にたって司会・進行をし、小さい子のめんどうを楽しそうに見ているリーダーたち。リーダー会では、前回の団会の時のメンバーのようすを語り合い、自分たちで決めた目標ができたかどうかのまとめもきちんとしています。


 立候補で決まるリーダーたちと言えども最初からそんな主体的な関わりができるわけではありません。


 「総会で選ばれたリーダーたちですが、リーダー会が動き出してしばらくは、指導員の方から『こうしてみたら…』とか『メンバーみんなのことも考えなくちゃね』とかの声かけをして、リーダーたちが考えるきっかけを作ってあげることが多くあります。時には、指導員の問いかけにやる気があるんだかないんだかわからないようなこともあります。」と、指導員は言っています。


 意見が積極的に出せるように、指導員たちはいろいろな働きかけを子どもたちにします。どんな意見もたいせつにして、「おもしろそうだね。そこはどうするの?」と励ましながら、その次を子どもたちが考えられるようにしていく。事前に電話などでリーダーの子と相談して、リーダー会の時には、自分がやりたいことを考えて持ち寄れるようにする。

 

 

 それでも意見が詰まった時は、指導員の方から「こんなことがあったよね」とか「○○ちゃんがこんなこと言ってたよ」とか、子どもたちが考えるヒントをそれとなく言ってあげる。指導員がどんな働きかけをするのかは、子どもたちの会議に合わせて毎月一回行っている指導員会議で相談します。

 

 「まずどんな意見でもいいから、自分の意見を言えるようになること。そこで、もうひとひねり『なぜ?』とさらに考えるきっかけを作ってあげること。自分の思いを伝えて、相手の心を動かし、相手を納得させる。そんなやり取りができるようになると、子どもたちの会議がいきいきしてくるし、子どもたち自身のものになっていくような気がします。また、『きっと楽しくなるぞ!』と言うワクワクする気持ちやイメージが共有できるような輪がつくれた時、自然と子どもたちの中に協力して進めていこうという気持ちが生まれるような気がします。」


 指導員のこの言葉は、子ども会・少年団の話し合いのあり方を象徴しています。