3. メモから記録へ

 2章ではメモのとり方について述べましたが、この章ではそのメモから具体的な文章にしていく方法を考えていきましょう。ここでいうメモの中には、ノートにとったメモ、映像、ビデオや写真、そして頭の中の記憶、前後の指導員会議のレジュメなどもふくまれます。これらを活用して文章にしていくわけです。

 まず文章を書き始める前に、どんな形の記録にするか、目的をはっきりさせます。1章でも述べましたが、目的に応じて、記録にはいろいろな形があります。その中から自分の目的にあった形を選ぶわけです。

活動報告を書く

 「うちの少年団では、こういうことをしています。」ということを、他の子ども会・少年団の指導員や父母に知らせるために書いたりします。それぞれの指導員サークルや地域センターなどのなかで出しているニュースなどで、各子ども会・少年団のコーナーというようなものがありませんか。「○○少年団、最近は団員も増え、□□をやってます…」そんな感じで書いてある、一番簡単な活動報告です。

 新聞の記事のように事実経過だけを書きます。それでいいわけです。指導員同士なり、子ども会・少年団に関わりのある人同士にわかるように書くわけです。あまり詳しいデータなどは書かないでもいいわけです。「うちの少年団は、○月×日、□□へ行きました。人数は○人。お天気は晴れていたので、とても楽しく一日を過ごすことができました…」というような感じで、「この少年団ではこんなことをやってんだな…」ということが伝わればいいのです。そのままでは学習会などでは使えないけど、興味を持った人間同士で話し合ったり、それがきっかけで実践討論会が開かれたりすることもあります。指導員が集まるときに、お互いの子ども会・少年団の様子をきちんと周りの人に伝えられるように、自分の子ども会・少年団が今なにをやっていて、何をしようとしているのか、文章として出し合えたら、いいと思います。

ニュース・通信を書く

 2番目はニュース・通信です。これは人に見せるために書くわけです。子ども会・少年団の父母だけに配るということもありますが、そのほかの人にも見せることも想定しなくてはならないと思います。その点も考えて書いたほうがいいと思います。

 内容としては活動報告をふくらませた形で、その中で、ひとり一人の子ども、全員とはいわないけれど、がんばった子どもの姿、その子の活躍に焦点をあわせて、それを追っていくような形で書いていったらいいでしょう。ひとり一人の子どもたちの動きを、どれだけとらえられるかが重要です。その子の一番がんばったところを書いてください。

 子ども会・少年団のニュースの場合、そのほとんどは子どもたちの様子を父母に伝えることが目的です。しかし、ただそれだけではなく、指導員がどんな思いで子どもたちを見ているか、そういったことが伝わるように指導員の気持ちもしっかり盛り込んでください。

 ニュースは、読んでもらうものです。だから読みやすさや見栄えにも気を配ることも大切です。手書きであるならば読みやすい字で書き、また字がズラッと並ぶと読みにくいので適当にカットを入れたり、レイアウトも考えなければなりません。最初のうちは面倒くさいと思いますが、慣れてくれば自然に読みやすい紙面になります。何号か続けて出してみてください。

日誌を書く

 これはあくまでも個人のメモです。自分に読みやすければいいと思います。

 しかし、子ども会・少年団の記録にしようとか、実践記録を書くためといった目的があるとなると、それなりに考えていく必要があります。まず必要なデータ、天気とか参加者とかですが、何が必要か考えましょう。それから団会の様子や子どもたちの様子などを簡潔に書きます。指導員の感想や、気になったことも忘れずに書きましょう。もちろん指導員会議の内容も必要です。きちんと毎回つけておけば、実践記録を書くときの大きな助けになるはずです。