アウトドア講座:キャンプで食事をつくる

7.2. 包丁の使い方をていねいに教える

 「みんなのお母さんたちは、トウフをミソ汁に入れるときは、広げた左手のうえにトウフをおき、手のうえでトウフを包丁できざんで鍋にそのまま落したもんだよ」


 という話を聞いてマネをしようとした若い女性が、左手に置いたトウフに包丁の刃を当て、引き切ろうとしたために手のひらまで切ってしまった、という話がまことしやかに語られています。

 

 こうした例にもれず、包丁の使い方やそれぞれにあった材料の刻み方が、若い人や子どもたちに伝わっていません。

 

 包丁は手のひらで軽く握り、きざむときには、人差し指を包丁の背に軽くのせて、手前に引くようにして、刃の通り具合を確かめながら切ります。この時に、包丁が材料に引っかかるように感じたら、刃がこぼれているか、研ぎのこしがあるので、再度砥石にあてて、よく切れるようにします。

 

 

 

 皮をむくときには、包丁の根元近くを握り、親指で皮をおさえて深くはいり込まないようにしながら、包丁を前後に小さく引くようにしてむいていきます。

 

 特に、皮をむくときは、材料を左手に持った状態でやるので、切れない包丁を使ったときは、どうしても力まかせに押すような感じになり、いきおいあまって、左手を深く切ってしまうという事故が多くなりがちです。よく切れる包丁の感覚を身につけさせておくことは、そういう事故をおこさないためにも必要です。

 

 低学年の子どもたちには、刃渡りが12~13センチぐらいの少し小さめの包丁を使わせましょう。普通の家庭用の包丁では、大きすぎて扱いきれません。逆にペティナイフのように小さすぎるものも、きざむときに刃がグラグラして安定しないうえ、大きな力を加えなければならなくなるので危険です。