アウトドア講座:キャンプで食事をつくる
さて、ここまで、メニューの考え方について、いろいろと書いてきました。でも、これだけの内容のあるものを子どもたちにどう伝え、いっしょに考えていくのかという点が問題です。
いきなり、いろいろな前提条件を与えたのでは、なにがなんだかわからなくなって、アイデアすら出せなくなります。やはり、何回もいろいろなメニューに挑戦してみて、手がかかるもの、経費がかかるものを自分たちで気づきながら、最終的にキャンプのメニューを考えていくというのが一番いいやりかたでしょう。
最初からすべてのメニューを子どもたちで考えるのは無理なので、夕食大会などのプログラムを設定して、楽しい雰囲気の中で考えられるようにしていきましょう。
さて、ここで一つだけ注意しておくことは、カマドやコンロのローテーションをよく考えて、一つのカマドは、2回転までにすることです。
家庭のガスコンロのように2口も3口もあれば、いためる、煮る、蒸す、揚げるなどの作業を効率よく同時並行でこなすことができますが、キャンプ場のカマドではそうはいきません。
数人のグループでカマドを2つも3つも燃やすのは、マキの無駄使いにもなり、労力もたいへんです。メニューによっては、材料の下ごしらえなどで、何回もカマドを利用しなければならないものもあります。
一つのカマドをどれだけ効率よく使うかが大切なのです。
ごはんをたいて、味噌汁を作る。これだけでカマドは、すでに2回転です。ごはんが炊き上がるのに20分。味噌汁が煮立つのに15分。これにもう一品煮物が入ったら、もうお手上げ。食事の準備の時間は、どんどん長くなり、その分子どもたちの疲労もましてきます。子どもたちが疲れてくるとイライラしはじめるのは、そのグループのリーダー。これでは、せっかくの食事がだいなしです。そこで、3回転するにしても、せいぜいさっといためて終るものを考えておきます。
子どもたちにメニューを考えさせると、「ハンバーグ」「フライドポテト」「唐揚げ」「スパゲティー」など、ふだんの好物がそのまま出てきます。どうやったらそれが作れるのか、いっしょに考えあいながら、カマドに関しては、2回転を条件づけて、どうしたら、工夫できるかを相談しましょう。
この話し合いの過程が、子どもたちにキャンプ場での食事づくりのイメージをふくらませていく大切な過程ですので、時間をとって取り組みましょう。