2. 記録を残すには

 さあ、いよいよ具体的にどうやって子ども会・少年団の記録を残す-文章を書くのか、ということに入っていこうと思います。なおこれ以後、特にことわりがない場合の「子ども会・少年団の記録」とは実践記録のことだと思ってください。

メモをとる

  • いつメモをとるのか

     どうしても記憶というものは、時間がたつにしたがってだんだんと薄れていってしまうものです。だから覚えておくためにも、一時的にメモする必要があります。

     いつメモをとったらいいのでしょうか。メモをとっていたために子どもの指導がおろそかになってしまったりしてはまずいし、団会の最中にメモがとれるかどうか…。

     でも子どもがこんなことを言った、こんないいことを言った、ということは、その場でなければ書きとめられないことかもしれません。覚えておけばいいことなんだけど、つい「あれっ、誰だっけ?」とか、わからなくなることはよくあることです。だから、メモはその場で書く必要があるということになります。小さなノートを用意して、団会だったら団会の区切りを見つけて、ちょこちょこっと書く、ということですね。

  • 指導員会議をたいせつに

     指導員会議は、子どもたちをどう指導していくのかという、指導員どうしの話し合いです。団会の前の指導員会議で、しっかり打ち合わせをしておいて、それにそって団会を進めていきます。団会を進めながら、いくつかの子どもたちの言葉をひろっておく。それがどのような状況であったかを、終わった後の反省会-指導員会議でまとめるわけです。そういった形でメモを生かして、子ども会・少年団の記録にしていくわけです。指導員会議をきちんとやるということはとても大切なことなんです。

     子ども会・少年団の記録を残すためには、これまで書いたように、子ども会・少年団の中で、真剣に子どもたちの言葉を聞いて、子どもたちの行動を見る、そういったことが必要になってきます。

     これをやりきるということは、団会や行事の中での指導の雑さ、いい加減さを防ぐということにつながっていきます。これは子ども会・少年団の記録を書こうとすることの副作用といえるでしょう。子ども会・少年団の記録を残そうということは、いい子ども会・少年団の活動-実践をするということなのです。

  • 映像-ビデオ-について

     最近ではビデオも一般的になってきました。記録を残すということでは、ビデオや写真は重要な存在です。直接的に視覚に訴えるという意味では、このビデオに勝るものはないといっていいでしょう。ただそのためには、ビデオの映像だけでなく、その現場にいた人の「このときはこうだったんだよ。」のような解説も必要です。

     キャンプの反省会をするというときに、そのビデオを流しておけば、ただ書いておいたメモを見ながら考えるよりも、その時の様子が浮かんでくるんじゃないかと思います。今後、こういったものを活用することが大切になっていくかもしれません。

     ただ、今のところ、記録としての映像は、まだまだ補助的なものと考えておきましょう。ニュースにしても、記事の横に写真をのせる。そのことによって臨場感は増すけれど、そしてそれは重要なことではあるのだけど、その写真一枚で勝負できる作品も中にはありますが、この場においては、特殊なものと考えておくことにします。

     結局、映像というものはメモと一緒です。その場をそのまま、やっていることをそのままに映す。その内容に関しては、加工がなされていない。それが強みです。加工してないから、そのままのものが目に飛び込んでくる。

     反省会の材料としては大切なものだと思いますが、実践討論をする場合はどうでしょう。そのまま映しただけではだめですね。その時の、指導員の思いや子どもの思いを、映像に盛り込むことは、非常に困難なことです。その場の勢いとか、雰囲気、そういったものは感じとれると思いますが、指導員の思いや狙い、そういったものは文章にして出すしかないと思います。ビデオがこれだけ普及して一般的になってきた今、大いに利用すべきだろうということは確かなことです。文章にしたメモだけでなく、映像のメモも加えて、総合的に使いながら学習会等を行なっていってください。

     余談になりますが、映像でも、プロモーションビデオのような、目的をもって編集されたものがあります。ぜひ挑戦してみてください。新しい記録の形になるのかもしれません。ただ、その場合でも、作っていく過程では、文章のメモのお世話になることは確実です。そういった意味でも文章を大切にしていってください。