3. 仲間のつながりと活動の要「リーダー会」

 すべての活動を子どもたち中心に決めると言っても、毎日集まっていられるような集団でならともかく、週一回、月一回の活動日を共通に確保するのすらたいへんなのですから、一回一回の集まりの内容を全員で話し合って決めるのは、たいへん難しいことです。「何をして遊ぶか」ということひとつとっても、男の子の意見、女の子の意見、小さい子の意見、大きい子の意見、千差万別です。多数決で決めてしまうのは、弱い集団の願いを切り捨てることになり、やはりうまくいきません。


 子どもたちが毎日夕暮れまで遊びきっていた時代には、「何をして遊ぶか」と言う話し合いはなくとも、その時期、その時期のあそびのブームがあり、「○○やろう!」の一言でほとんどの子がそのあそびに参加し、飽きてきたころ誰かが「今度は、△△やろうよ!」と言えば、スムーズに次のあそびに入っていけました。誰もがいくつものあそびとそのあそびの醍醐味を知っているのですからどんなあそびでも良かったのです。


 みんなの意見や希望を聞きながら、同時に、いま子ども会・少年団の仲間の関係の中で何を育てることが大事なのかを考え、あらためて団の仲間に説得的に働きかけのできる子たちが必要なのです、昔のあそび集団の中では、「ガキ大将」と呼ばれる年長の力のある子がその役割を果たしていました。子ども会・少年団では、この「ガキ大将」を個人の力ではなく、集団の力として育てることをたいせつにしなければなりません。

 

 この役を果たすのが年一回、子ども会の合宿の時に行われる「総会」で選ばれるリーダーたちです。メンバー20人に対して、リーダーは5~6人。中学生が中心になっています。


― 「リーダー会でいろいろなことを決めたり、みんなをまとめたり、新聞を配ったり『たいへんだな』『めんどくさいな』と思ってしまうかもしれないけど、やっぱり自分たちで子ども会を動かしているんだ、会を作っているんだと思えるのは、リーダーたちだから、そういう思いがもてるように指導員もリーダーたちをたいせつにして関わっています。」


― 「たいへんという思いだけでなく、自分たちで作るというワクワクする気持ち、みんなを楽しませる楽しさ、やりがい、満足感、そんなものを感じられるリーダー会にしたいと思っています。」


― 「リーダー会を通して少しずつ自信をつけ、仲よくなり、いきいきしてくる子どもたちを見ているとこれこそ子ども会・少年団のいいところだと思えるのです。」


 と、先輩の指導員は、言っています。月一回、日曜日の午前中二時間ぐらいのリーダー会の中で、一人一人が心を開き、気軽な話し合いの中で、子ども会・少年団のみんなが楽しめるあそびや取り組みの企画を相談できるように。指導員として一番気を配っている部分だそうです。