アウトドア講座:キャンプ生活の健康管理
疲労の回復は、なによりもゆっくりとした睡眠で決まります。せまいテントやバンガローのなかで、寝袋でゴロゴロするのは、睡眠の条件としては、かならずしもいいものではありません。
充分な睡眠時間を確保することは、もちろんですが、スムーズに寝つけるような工夫と、荷物などを整理して、できるだけゆったりとしたスペースを確保することが必要です。
男女の問題はもちろん、低学年・高学年と、体力にあわせた睡眠時間・場所の確保も考える必要があります。
エアークションやアルミコーティングシートなど、地面や床からの湿気を防ぎ、保温をすることも忘れてはなりません。
テントサイトに余裕があれば、タープを張っただんらんのスペース、カマドを中心に調理器具をまとめた食事づくりのスペースをそれぞれ独立して確保し、テントやバンガローは、着替えや休養、雨天のときの非難場所として、そのなかで食事をしたり、大騒ぎをしたりせずに、屋外での生活を充分に味わえるようにしたいものです。
昼間は、テントのウオールをあげて陽の光りを取り込みます。夕方早いうちにテント内の荷物を整理し、寝床を作り、着替えを準備したら、それ以外の荷物は荷物用のテントにおき、いつでも寝られるようにしましょう。夜の交流は、タープの下で夜露を避けながら小さな火を起こし、その回りに集まって暖をとりながら語りあったり、歌を歌ったり、ゲームをしたり、時には、夜の闇に囲まれた自然を感じに行くような落ち着いたプログラムを考えましょう。
テントのなかに入ったら、おしゃべりや懐中電灯をつけたりするようなことはやめて、静かに寝ます。
すぐに寝つけそうもない子たちは、そのまま外で静かに星空を見上げながら星の話や宇宙の話をするのもいいでしょう。仲間づくりは、いつも元気よく大声を出して飛び回りあうことだけではありません。同じ星空を見上げながら、身近に友の存在を感じながら過ごす静かな時間のなかにも、おたがいの心の触れ合い、感じあいがあるのです。
「早くねる」ことや「他人の迷惑」といったことだけを強調して「寝かせる」のではなく、夜の生活づくりをどう進めるのか、という話し合いのなかで睡眠の意味をみんなのものにし、ゆったっり休養できる条件づくりをみんなで進めながら、リズムとハーモニー(自然との調和)のある生活を実践できるようにしましょう。