アウトドア講座:キャンプで食事をつくる

7.6. 上手な火起こし

 マキが手に入ったら、いよいよ火起こしです。焚きつけに新聞紙などを丸めておき、その上にスギやヒノキなどの葉や細く割ったマキを並べ、だんだんに太いマキをくべて火を大きくするという手順は誰でも知っているところです。

 

 でも、実際に子どもたちとやってみると、思ったように火が起きてくれなくてたいへん苦労してしまうことがよくあります。どんなところに原因があるのでしょうか。

 

★ あれっ?燃えてたはずなのに…

 最初は元気よく燃えてたのに、新聞紙や細木だけが燃えてしまい、消えてしまうという場面によく出会います。これは、ウチワであおぎすぎて、一見、景気よく燃えているように見えながら、実は早く燃えすぎて、太いマキに十分火が回らない結果です。

 

 火をおこす時は、炎が飛ぶほどむやみにあおがないで、燃え具合にあわせてゆっくりと空気を送ってあげるようにしましょう。そうすれば、火は自然と起きてくるものです。

 

★ マキが湿っている時は…

 マキが湿っている場合には、ともかく細く割って、焚きつけも充分に使って、乾燥させながら、火を大きくしています。この時も、なかなか火がつかないからといってウチワであおいだりすると、焚きつけの紙だけが燃え尽きてしまうことになります。

 

★ 新聞紙の扱いに気をつける

 新聞紙は、大きいままをバサッと使うよりは、A5ぐらいの大きさに切って、5~6回ジャバラ状に折って、中央を3~4回ねじって喋ネクタイのようにしたものをたくさん用意したほうが、火もちがよくなります。

 

 新聞紙は、テントのなかにひいたり、濡れた靴を乾かしたり、寒いときには、体にまいて寝たりと、さまざまな使い道があります。火をおこすときには、湿気を吸いやすいので、雨の日や晴れているときでも、地面やマキのうえに直接置いたりせずに、ビニール袋などに保存しておきます。

 

 雨の日などは、焚きつけにするために切ったり、カマドに並べたりしているうちにもう湿ってきますから、焚きつけ用の新聞紙は、キャンプに行くまえに必要な大きさに切っておき、30枚ぐらい(新聞紙全紙2枚分)ずつビニール袋に入れ、必要がない新聞紙は直接湿気にさらさないようにするといいでしょう。 

 

★ 秘密兵器登場!

 1リットルの牛乳パックは、乾かして使うと、ロウびきになっているため、火つき火力とも高く、雨の日でも効果があるので短冊状にして持っていくとたいへんに便利なものです。

 

 シラカバの皮は、猟師が革袋に入れて持って歩いたといわれるほど焚きつけとして格好のものですが、落ちている枝や伐採されたものから取るようにして、立木の皮をはいだりして傷つけることは絶対に止めてください。

 

★ 雨の日も工夫しだいで

 雨や風が強い日の火起こしは、なかなかつかなくて辛いものです。大きすぎるカマドは、雨が吹き込んだり火が散らばったりします。そのカマドで使用する飯ごうの数や鍋の大きさにあわせて、適度なものにすること。

 

 カマドのうえに、木の枝や葉を使って、雨よけの屋根を作り、雨が直接鍋やカマドにふきかからないようにするなどの準備をしっかりやったあとに火起こしにかかりましょう。

 

 少々の雨であれば、新聞紙を1~2枚カマドのうえにかぶせて、その下で火起こしをするだけでもずいぶんと違います。