東京少年少女センターでは、1999年11月23日の「子ども組織研究会」を皮切りに2000年1月30日まで、連続4回の研究会を行ってきました。
子どもたちの人間らしい成長や発達が、学校や家庭、地域の中で十分に保障されているのだろうかという疑問と不安が子育て中の親や教育関係者のみならず、ひろく国民的な論議となってきています。特に、最近になって少年や青年たちが引き起こした事件は、教育や子育てのあり方、子どもや親をとりまく地域社会のありかたが「崩壊」しつつある現実を象徴的に明るみに出しました。
この間、国や文部省は、あいついでさまざまな施策を打ち出してきています。
…など、子どもたちの心をはぐくみ生きる力を育てるためには、地域の大人たちや子どもたちの異年齢集団などでのかかわりを通して、生活体験や自然体験をゆたかにしていくことが必要という考えのもとに全省庁・自治体をあげての「体験プログラム」が組まれています。
「地域に子どもたちが主人公の異年齢集団・子ども組織を」「地域に子どもたちの遊びや自主的な活動をゆたかに育てる」ことを願って私たちは、1970年代から活動を続けてきました。「子どもたちから時間も空間も仲間も奪われた」と言われるようになった時代からすでに30年の月日が流れています。著しい競争が子どもたちに押しつけられ、子どもたちは、学校でも家庭でも地域でもホッと一息つくことすらできなくなっています。 子育てや教育をめぐって大きな動きがある中、4回の研究会で私たちは、
ことを考えあってきました。
この本は、研究会での問題提起や発言から何を学び取ることができるのかをより多くの人たちと考え合うために編集したものです。ひとつひとつの論文、一人一人の手記からみんなの知恵でたくさんの宝物を見つけてもらいたいと思っています。