何について書くか
実践記録を書くには、まず、テーマを定める必要があります。例えばキャンプで実践記録を書くと決めたら、自分はうちの子ども会・少年団のキャンプで何を言いたいのかをはっきりさせておく必要があります。食事作りのことも書きたいし、ハイキングでがんばったことも書きたい、そうなるとどこにポイントをおいて話し合ったらいいのか分からなくなってしまいます。
実践記録は、あくまでも実践討論をするために書くものです。学習のために使うのだから書くほうも、どこをたたいてほしいのか、どこを批判してほしいのか、それをはっきりとさせて書くことが必要です。実践記録は文章を書くことよりも、自分の実践、指導に関して、何が一番問題なのか、それがわからないと書きづらいものです。多分ここが問題なんだろうという程度であっても、その辺を自分の問題意識として、実践記録を書き始める必要があるのです。
書かなければいけないこと
-
子ども会・少年団のプロフィールを書く
一番目には、その舞台となる自分の子ども会・少年団のデータというものが必要です。人数が何人、男女比は、どんな場所で活動してるか、住宅地だとか、団地であるとか、実践には直接は関係ありませんが、子ども会・少年団も社会的なものだから、周りの状況によってその内容が違ってくることも少なくありません。板橋の子ども会・少年団と町田の子ども会・少年団、それから大田の子ども会・少年団、それぞれみんなカラーが違うはずです。そのカラーの違いは、そこの指導員の違いももちろんあるけれど、そのおいてある場所の環境の違いもあるはずです。子ども会・少年団の姿を、読んでいる人の頭の中にリアルに写しだすために、重要なものなのです。
-
ねらいをはっきりと
それから2番目として、指導員のねらいをはっきり書きます。指導員というのは、やはり意図的に指導に関わらなくてはいけないと思います。ただ単純に子どもと一緒に遊ぶ、遊びたい、最初はそれでもいいけれど、これをやりたい、やらせたい、そういったものをもっている必要があると思います。
例えば「団員をなかよくさせる」といった具体的なねらいをたてるわけです。「特に、男の子と女の子の仲が良くないから、それを何とかしよう」とかそういったことです。それは、子どもたちのつくる目標とか約束の中にも生きていくことになるはずです。指導員がその実践の中で何をねらっていたのか。これをきちんと書かないと、ただ行動の羅列になってしまいます。そのねらいにそって指導員は動くはずです。実践記録の方もそのねらいにそって書いていく必要があります。
-
事実経過をリアルに
そしてこれが一番大事なことですが、事実経過-子どもと指導員がどういった行動をとってきたか、実際に起こったことをきちんと書くことが大切です。失敗したからといって嘘を書いてはいけない。ごまかしてはいけません。
心理描写というものもあります。特に指導員の心の動きを書いておくと、実感をともなった文章になっていくと思います。子どもの方は、その心は直接はわからないけど、表情に表れたものを書くといいと思います。そういった心理描写がないと読んでいておもしろくないし、共感できるものにはなりません。
そして最後は結果です。その実践は結局どうだったのか、ねらいに対して成功だったのか、失敗だったのか、ということです。結果についての自分の思いをきちんと書いておくと、その実践に対する意見も出やすく、活発な討論会になっていくでしょう。