代々木公園のライブサイトについての理事長声明

【代々木公園へのパブリックビューイングの設置とそれにともなう樹木の剪定に反対します】


オリンピック関連事業で、森に囲まれた代々木公園の芝生の広場にパブリックビューイングが作られようとしています。

その工事のために、長期間にわたって広場を封鎖し、さらに工事に支障がある樹木の4メートルもしくは8メートルより下にある枝を剪定する作業が行われています。

この広場は、NPO東京少年少女センターが毎年、代々木公園を管理する東京都公園協会と共催で「あそび万博」を行ってきたところです。

その際には、のぼり旗や看板類一切を立ち木や枝に一時的にロープで固定することも、「樹木の保全」ということで行ってきませんでした。

さらに昨年度は、例年通り、広場での「あそび万博」の開催について、公園関係者の方々もぎりぎりまで東京都と折衝してくださいましたが、「新型コロナウイルス感染防止のため」ということで、開催が認められませんでした。

今後の感染の波がどうなるかも未知数で、オリンピックを実施するにしても「無観客」にという医療からの提言もあります。

子どもたちのためのイベントはやらせないで、より多くの人を集めるイベントを開催しようとすることは、都が繰り返し言っている「人流の抑制」という感染予防の方針とも矛盾するものです。

これまで新型コロナの感染拡大防止のためとして閉鎖されていた広場が、今度は、ライブサイトのために長期間にわたって自由な利用ができなくなってしまいます。

公園は、市民が自由に遊んだり、休んだりできる自由な空間でなければなりません。特定の目的のために広大なひろばを占有することは、公園ほんらいの趣旨にも反するものです。

さらに、工事作業のために、樹木の維持管理に必要でない部分の大きな枝まで剪定してしまうことは、人間の身勝手な都合で樹木を気づつけることにほかならず、東京オリンピックがかかげてきた「持続可能性」の柱である、「大気・水・緑・生物多様性」を守ることにも反するものです。

また、ライブサイトの設置について、近隣住民や公園利用者に十分に周知し、合意形成をしてきたのかという点についても疑問があるところです。

以上の理由から以下の点について「反対」を表明するものです。

 

□ 一時的なイベントのための樹木の剪定は反対です。

□ 自然との共生に反する代々木公園A地区での大規模イベントは反対です。

 

2021年5月28日

NPO法人東京少年少女センター

理事長 神代洋一

 

※ちなみに代々木公園のB地区(NHK側)にはステージもあるコンクリート敷のイベントひろばがあり、入場者の管理もきちんと行なうことができます。そもそもA地区は自然保護のために域内でのイベント利用を制限してきたはずです。そういう点でも、今回の計画はあまりにも強引なものと言わざるを得ません。

 

【追記】

・東京都HP。ライブサイト計画について→https://www.2020games.metro.tokyo.lg.jp/38e028650a9c1f9ce276e346bb2cf542_3.pdf

・オリンピックの持続可能性について→https://olympics.com/tokyo-2020/ja/games/sustainability/

・都は代々木公園での観客数を1600人から710人に減らすことに(5/28日テレnews24)→イベントを中止する意思は無し。

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コメント: 1
  • #1

    中夫 遠山 (土曜日, 29 5月 2021 15:40)

    絶対にやめてください!なんのための誰のための公園なのか?子どもだけではなく緑の保全は地球環境を守るためにも大事なこと、わたしが参加している子ども万博、東京都も後援してくれています。
    貴重な財産を残してください。