アウトドア講座:キャンプで食事をつくる

7.9. マキのくべかた

 「なにも、そこまで…」と言われそうですが、マキのくべかたも重要な指導のポイントです。経験の浅いキャンパーは、火が燃えること自体が楽しくて、次から次へとマキをくべ、鍋ごともやしてしまううのではないかと思うほど炎を大きくしてしまったりします。

 

 また、逆に、カマドにマキがあふれて、酸欠状態になって火を消してしまったり、前にくべたマキが燃え尽きるまで黙って見ていて、燃えるものがなくなって火が小さくなってからあわててマキをくべたりと、マキをくべるタイミングを知るということがいかに難しいかを見せてくれます。

 

 必要もないのにマキをくべすぎることは、マキの無駄使いになるどころか、へたをすれば料理を焦がしてしまったり、ヤケドをしたりの原因にもなります。

 

 要は、火の燃え具合に応じて適当な量を一歩早目にくべてやればいいのですが、前のマキがどのくらい燃えたときに次のマキをどの程度入れたらいいのかは、経験によるカンのようなものに頼るほかはありません。ですから、最初のうちはリーダーが声かけをして、そのタイミングを子どもに伝えるようにしていくのがいいでしょう。

 

 

 昔のように風呂炊きや炭おこし、だるまストーブなど、日常の生活のなかにマキを使っての火起こしが行なわれていれば、あえて口で言わないでも自然に体得していく技です。

 

 しかし、今の子どもたちの生活のなかには、そういう場面はまずありません。キャンプで初めて体験するという子どもたちばかりなのですから、声をかけて言葉と目で確認させ、体験として定着させていくことが大切です。