アウトドア講座:キャンプ生活の健康管理
キャンプ場では、生活環境の変化や不潔なトイレなどの影響で、便秘におちいる子が多くなります。便秘は、軽度であればそれほど心配はありませんが、ほっておくと重症になり、発熱や吐き気を伴うなどの症状が出てきます。さらには、腐敗物による他の疾病を引き起こすことにもなりかねません。
なによりも、便秘が続けば食欲は低下し、キャンププログラムにも集中できなくなり、そのうえ発熱などすれば、なんのためにキャンプに来たかわからなくなってしまいます。
便秘の治療は、要するに「出させればいい」ので、簡単といえば簡単ですが、実はここに大きな落とし穴があるのです。
最大の問題は、大便をすることを隠したがる子どもたちの心理です。これは、とくに男の子たちに強いように思われます。
男の子にとって、トイレの個室にはいるということは、回りにむかって「これから、ウンコをするゾ!」と宣言するようなもので、なんとなく恥ずかしいものなのです。そのうえ、「くさい!」だの「ヘをした!」だのの悪口を言われたりすれば、「2度と個室には入るもんか!」と思いたくもなるというものです。
こうした、精神的負担を取り除き、堂々と自分の排泄の状況について語れるような集団の雰囲気づくりをすることが大切です。
それには、やはり、参加者全員に「便秘」の恐ろしさと「規則的な排泄」の大切さを、きちんと理解してもらうことです。
あられもない悪口が、他人の健康をそこなうだけでなく、自分の身体や精神をもむしばんでいくことを理解してもらうことです。高学年になるとテレもあって、ひとり一人の自覚をどう促すのかを主眼にすることになりますが、低学年のうちは、より具体的に指導をしていくことが大切です。
例えば、「一日一回みんなでウンコ」をスローガンにして、朝食が終り午前中のプログラムがはじまるまでの間に排泄を全員がしきるということと、その姿かたち、量まで、おたがいに点検しあい、コソコソ語るものではなく、みんなのなかで自己点検しあうようにしたことがありました。
この課題は、「食事をちゃんと作ってたべる」という目標と同じくらい重要なことです。